吐・下血で発症した一次性大動脈十二指腸瘻の1 例

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タイトル別名
  • Primary Aorto-duodenal Fistula with Hematemesis and Melena

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抄録

要旨:大動脈腸管瘻で一次性大動脈腸管瘻は稀な病態である.今回吐・下血で発症した腹部大動脈瘤による一次性大動脈腸管瘻を経験した.症例は67 歳の男性で吐・下血が出現し,複数回消化管内視鏡検査を施行されるも出血源は不明であり,CT では45 mm の腹部大動脈瘤を認めていた.繰り返す消化管出血と腹部大動脈瘤の存在から大動脈十二指腸瘻を疑い,準緊急で手術を行う方針としたが,術前夜にショック状態に陥り緊急手術となった.十二指腸と大動脈の交通を有する大動脈腸管瘻を確認し,腹部大動脈人工血管置換術と十二指腸瘻の縫合閉鎖,大網充填を行った.術後カテーテル関連菌血症から長期入院を要したが,手術関連の合併症は認めず,術後74 日目に軽快退院した.一般的に消化管出血には消化管精査が行われる場合が多数であり,理学所見で拍動性腫瘤を触知した際には造影CT による診断と血行動態が安定している早期に手術に踏み切ることが大切である.

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