加齢黄斑変性に対する光線力学療法

  • 尾花 明
    聖隷浜松病院眼科,浜松医科大学光量子医学研究センター光化学治療部門

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タイトル別名
  • Photodynamic Therapy on Age-related Macular Degeneration.

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抄録

わが国では滲出型加齢黄斑変性に対するビスダインを用いた光線力学療法(PDT)が2004年から始まり,現在,約179施設で治療が行われている.これまでの患者数は推定16000人である.PDTにより良好な視力維持成績が報告されているが,一方で,術後出血や高い再発率などの問題点もある.また,網膜の直接障害はないが,脈絡膜毛細血管閉塞,網膜色素上皮細胞障害という正常組織の障害も起こる.再発率を抑制する目的で,トリアムシノロンアセトニドや抗VEGF製剤との併用療法が試みられている.併用によって視機能成績も向上するとの報告もあるが,確定はしていない.インドシアニングリーン蛍光造影検査による脈絡膜新生血管の診断結果に基づいてPDTを行うIA guided PDTが試みられ,その効果が検討されている.PDTに難治の病態としてretinal angiomatous proliferation, 大きな漿液性色素上皮剥離を伴う例などがある.PDTには長所と短所があるが,将来的にも新生血管の閉塞を可能にする治療法としてその有用性がある.

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参考文献 (35)*注記

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