抄紙機における技術開発の歴史:ロベールから始まる100年間

書誌事項

タイトル別名
  • The History of Paper Machine Development:100 Years from Robert's Invention
  • 抄紙機における技術開発の歴史 : ロベールから始まる100年間(第1部)フォードリニヤー抄紙機及び円網抄紙機の誕生
  • ショウシキ ニ オケル ギジュツ カイハツ ノ レキシ : ロベール カラ ハジマル 100ネンカン(ダイ1ブ)フォードリニヤー ショウシキ オヨビ エンモウ ショウシキ ノ タンジョウ
  • Part 1:The Invention of Paper Machines, Fourdrinier and Cylinder Mould
  • 第1部:フォードリニヤー抄紙機及び円網抄紙機の誕生

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抄録

フランス人のルイ・ロベールが抄紙機を発案した1798年から100年間の技術進歩を追ってみる。<BR>ロベールの抄紙機は,全長10フィート,紙幅24インチのワイヤーパートのみで,手回しであった。それが,フォードリニヤー兄弟の資金と,イギリスの機械工作の技術力で,10年後に水車動力で動くフォードリニヤー抄紙機の原型ができあがった。<BR>同じ時期に,板紙生産の主力となる円網抄紙機もイギリスで生まれている。この技術は短期間にアメリカに広がり,製紙機械産業の成長を引き出す。技術力を身に付けたアメリカ企業はフォードリニヤータイプの抄紙機の生産を始め,世界的な企業へ発展していく。<BR>短期間に抄紙機が開発された要因として,産業革命によりいろいろの技術が関連しながら急速に発展したこと(なかでも鉄鋼製の機械と機械加工技術),旺盛な紙の需要,活発な技術交流とそれを促す特許制度等が上げられるが,新しい技術を生み出そうとする起業家の存在がある。たとえば,イギリスでは,フォードリニヤー(Fourdrinier),ドンキン(Donkin),ディキンソン(Dickinson),アメリカではジルピン(Gilpin),エイメス(Ames)等である。<BR>その後,ドライヤー,カレンダー,カッター等が開発され,1900年頃には,幅150インチ,抄速600フィート/分のフォードリニヤー抄紙機が完成している。この過程は第2部では紹介する。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 68 (4), 429-437, 2014

    紙パルプ技術協会

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