断酒と長期酸素療法にて肝機能と低酸素血症の改善を得た肝肺症候群を伴うアルコール性肝硬変の1症例

書誌事項

タイトル別名
  • Alcoholic liver cirrhosis associated with hepatopulmonary syndrome: Abstinence from alcohol and long term oxygen therapy improved the hepatic function and ameliorated hypoxemia
  • 症例報告 断酒と長期酸素療法にて肝機能と低酸素血症の改善を得た肝肺症候群を伴うアルコール性肝硬変の1症例
  • ショウレイ ホウコク ダンシュ ト チョウキ サンソ リョウホウ ニテ カン キノウ ト テイサンソ ケツショウ ノ カイゼン オ エタ カン ハイ ショウコウグン オ トモナウ アルコールセイ カンコウヘン ノ 1 ショウレイ

この論文をさがす

抄録

症例は69歳,男性.4年前に他院でアルコール性肝硬変と診断された.今回は食道静脈瘤出血のため当院へ入院となった.以前より労作時の息切れや呼吸困難などの自覚症状の訴えはなかったものの入院時より低酸素血症を認めた.胸部CTで肺血管が抹消まで追跡可能であり,microbubbleを用いた造影心エコーで通常は認めない左心系にもbubbleを認めたことから,肝肺症候群による低酸素血症と診断した.酸素投与にて低酸素血症の改善を認めたため,断酒を継続しながら,長期酸素療法を施行したところ,半年後にはChild-Pughスコアは7点から5点に改善し,2年後には低酸素血症も改善して長期酸素療法から離脱することが出来た.本症例では断酒と酸素投与により肝機能が改善し,肝肺症候群による低酸素血症も改善したと考えられた.

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 55 (4), 235-239, 2014

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (10)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ