石灰化を伴った肺原発滑膜肉腫の一例

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  • A case of primary pulmonary synovial sarcoma initially diagnosed as a benign lung tumor due to calcification of the tumor

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抄録

症例は68歳,男性.毎年検診を受けていたが異常は指摘されなかった.2005年7月の検診で胸部異常陰影を指摘され当院呼吸器内科を受診.胸部X線検査では左下肺野に2 cm大の類円形腫瘤陰影を認め,胸部CTでは左S8に内部に石灰化を伴う結節像を認めた.気管支鏡検査では擦過細胞診でclass Iであり,石灰化を伴う腫瘤であることから良性腫瘍と考え経過観察とした.2006年3月の画像検査で腫瘤は3 cm大へ増大したため気管支鏡検査を再度実施した.生検でspindle cell sarcomaと診断され,2006年6月に左下葉切除を施行.凍結標本のRT-PCRでSYT-SSX1融合遺伝子が検出され,滑膜肉腫の確定診断を得た.術後2年目の全身検索で胸壁への再発巣を認め,放射線治療および胸壁切除を行うも病勢制御困難で術後4年2ヵ月で原病死となった.肺原発滑膜肉腫は比較的稀な症例であり,文献的考察を加え報告する.

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