右主気管支・左舌区支の分岐異常と左肺動脈走行異常を伴った左上葉肺癌の一切除例

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  • A case of resection of lung cancer accompanied by displaced anomalous right upper bronchus, lingular bronchus, and pulmonary artery

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抄録

症例は59歳の男性で,左肺癌疑いにて当院紹介受診された.術前の気管支鏡検査にて右上葉気管支及び左舌区支の分岐異常を認め,3D-CTにて肺動脈の走行異常も認めた.手術を施行したところ,上区・舌区間は完全過分葉を認め,上大区域切除術を施行した.病理組織検査の結果,Squamous cell carcinoma,pT1aN0M0,stage IAであった.手術後18ヵ月現在,明らかな再発は認めていない.気管支分岐異常の頻度は0.4~0.6%といわれている.その多くが右上葉気管支の転位性分岐異常であり,左舌区支の転位性分岐異常は非常に稀である.気管支分岐異常には肺動脈の走行異常が合併することが報告されている.術前の3D-CTにて肺動脈の走行異常を検索することが,より安全な術中操作につながると考えられた.

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