異所性の胆管狭窄で再燃した自己免疫性膵炎の1例

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タイトル別名
  • Recurrent autoimmune pancreatitis with heterotopic bile duct stenosis: a case report and literature review

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抄録

症例は59歳の男性,平成18年9月上旬から,心窩部痛が出現し,9月23日当科を受診した.血液検査で血清AMYの高値,CTで膵臓のびまん性腫大を認め,急性膵炎と診断され,入院となった.保存的治療を開始したが,症状,血液検査の改善を認めなかった.MRCPで総胆管下部に狭窄像を認め,内視鏡的逆行性胆膵管造影(ERCP)を施行したところ肝内胆管のびまん性狭窄像,総胆管下部の辺縁平滑な狭窄像ならびに膵頭部から膵体部にかけての主膵管狭細像を認めた.追加の血液検査では高γグロブリン血症,高IgG4血症を認め,胆管狭窄を伴った自己免疫性膵炎と診断した.入院経過中,硬化性胆管炎を併発したが,ステロイド投与により,膵炎,胆管炎のすみやかな改善を認め退院となった.退院後,ステロイドを漸減中であったが,平成19年9月上旬に硬化性胆管炎の再燃を認め,再入院となった.ERCでは前回とは異なる部位の肝門部胆管から上部胆管にかけて高度の胆管狭窄を認めた.内視鏡的経鼻胆管ドレナージ(ENBD)を施行し,ステロイドを増量し,胆管炎の改善を認め,退院となった.以降外来でステロイドを維持投与中(プレドニゾロン7.5mg/日)である.<br>

収録刊行物

  • 膵臓

    膵臓 24 (4), 513-520, 2009

    一般社団法人 日本膵臓学会

参考文献 (30)*注記

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