急性膵炎におけるInnate Immunity

  • 渡邉 智裕
    京都大学大学院医学研究科消化器内科学 京都大学大学院医学研究科次世代免疫制御を目指す創薬医学融合拠点
  • 辻 喜久
    京都大学大学院医学研究科消化器内科学
  • 千葉 勉
    京都大学大学院医学研究科消化器内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Acute pancreatitis and innate immunity

抄録

膵臓腺房細胞におけるTrypsinogenを中心とする膵酵素の過剰な活性化とそれに引き続く膵組織の自己消化が急性膵炎の発症に中心的な役割を果たすと考えられてきた.しかしながら,Trypsinogenの発現が極めて低い状況下においても,急性膵炎が誘導されることが報告され,急性膵炎の発症にはTrypsinogenの活性化に加えて,様々な免疫反応が関与することが示唆されている.膵炎発症モデルマウスを用いた最近の研究により,急性膵炎の発症には自然免疫反応が関与することが示唆されている.急性膵炎の発症に伴い,膵組織へ移行する腸内細菌や膵組織の壊死に伴って放出される内因性自己抗原が自然免疫活性化分子として機能し,宿主の自然免疫反応受容体を活性化し,急性膵炎の病態形成に重要な役割を果たすことが明らかになっている.<br>

収録刊行物

  • 膵臓

    膵臓 29 (1), 45-50, 2014

    一般社団法人 日本膵臓学会

参考文献 (37)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679616816256
  • NII論文ID
    130004496050
  • DOI
    10.2958/suizo.29.45
  • ISSN
    18812805
    09130071
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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