膵炎の原因遺伝子探索

  • 正宗 淳
    東北大学大学院医学系研究科消化器病態学分野
  • 中野 絵里子
    東北大学大学院医学系研究科消化器病態学分野
  • 粂 潔
    東北大学大学院医学系研究科消化器病態学分野
  • 新堀 哲也
    東北大学大学院医学系研究科遺伝病学分野
  • 青木 洋子
    東北大学大学院医学系研究科遺伝病学分野
  • 下瀬川 徹
    東北大学大学院医学系研究科消化器病態学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Search for novel pancreatitis-associated genes

抄録

1996年,遺伝性膵炎の原因としてカチオニックトリプシノーゲン(PRSS1)遺伝子変異が同定されて以降,種々の膵炎関連遺伝子異常が報告されてきた.これまでは膵分泌性トリプシンインヒビター(SPINK1)遺伝子など,トリプシンの活性化・不活性化に関わる遺伝子異常が中心であった.最近,遺伝子異常の結果,膵腺房細胞内に小胞体ストレスを起こすことが,新たな膵炎発症機序として注目されている.家族歴の濃厚な遺伝性膵炎でさえ約30%の家系で原因遺伝子は不明である.次世代シークエンサーは,従来型に比較し一度に膨大なDNAデータの処理・解析が可能であり,新規膵炎関連遺伝子同定に有用なツールと考えられる.今後,次世代シークエンサーを用いた網羅的解析により新たな膵炎関連遺伝子が同定され,膵炎のさらなる病態解明が進むことが期待される.<br>

収録刊行物

  • 膵臓

    膵臓 29 (1), 51-58, 2014

    一般社団法人 日本膵臓学会

参考文献 (18)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204640103936
  • NII論文ID
    130004496051
  • DOI
    10.2958/suizo.29.51
  • ISSN
    18812805
    09130071
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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