造影カラードプラ超音波内視鏡検査により診断しえた膵十二指腸動脈瘤の1例

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タイトル別名
  • A case of small pancreaticoduodenal artery aneurysm diagnosed by contrast-enhanced color Doppler endoscopic ultrasonography

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抄録

症例は70歳代男性.S状結腸癌による腸閉塞で,当院外科にて手術となった.術前の造影CT 検査で膵頭下部領域に濃染する単発の病変を偶発的に認め,S状結腸癌術後に精査目的で当科紹介となった.経腹壁超音波検査で病変は指摘されなかった.超音波内視鏡検査(EUS)では,膵頭下部近傍に5 mm大,境界明瞭で類円形の低エコー病変を認めた.病変はカラードプラEUSで血流シグナルを認めず,充実性病変を疑った.Sonazoid®を用いて造影カラードプラEUSを行うと,強い血流シグナルを有する病変を認め,連続する拍動性の血管を認めた.血管性病変と診断し,3D-CT angiographyを撮影構築したところ,膵十二指腸動脈瘤が認められた.動脈瘤破裂に対する予防目的で,経皮的動脈瘤コイル塞栓術を施行した.超音波造影剤の投与により,ドプラ感度を上げることで診断しえた膵十二指腸動脈瘤の1例を経験した.

収録刊行物

  • 超音波医学

    超音波医学 41 (1), 31-35, 2014

    公益社団法人 日本超音波医学会

参考文献 (11)*注記

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