放射線感受性遺伝子研究におけるマウスモデル実験
書誌事項
- タイトル別名
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- MOUSE RESEARCH MODELS FOR INDIVIDUAL RADIOSENSITIVITY
- ―ヒト個人差とマウス系統差―
- —INDIVIDUAL VARIANCE AND STRAIN VARIANCE—
抄録
マウス実験モデルは, 前世紀より放射線生物学において重要な実験手段であり, 放射線効果メカニズムの研究, 放射線影響研究などで大いに活用されてきた. 21世紀となり, ゲノム研究の進歩に伴い, ヒトに続いてマウス全ゲノムが明らかとなったことにより, マウス実験モデルは, ヒト個人個人の様々な感受性研究にも応用可能となった. この総説では, これまでの報告を振り返り, マウス実験モデルを用いた正常組織放射線反応研究における現在までの知見をまとめた. 各臓器において, ヒトの放射線感受性における多様性と同様に, その放射線障害の程度にマウスの系統差が認められた. 多系統のマウスを用いることで明らかとなった分子は, TGF-beta, MnSOD, CD44などであった. 臨床ではすでに, 既知の遺伝子上の多型マーカーを用いて, ヒトの放射線感受性を予測しようという試みが始まっている. マウスとヒトのゲノム相同性を応用した放射線生物研究は, 今後の放射線感受性研究に大いに貢献すると考えられる.
収録刊行物
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- 日本放射線腫瘍学会誌
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日本放射線腫瘍学会誌 17 (3), 141-147, 2005
一般社団法人 日本放射線腫瘍学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204331991552
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- NII論文ID
- 130004497073
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- ISSN
- 18819885
- 10409564
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可