13年の経過後,急性リンパ性白血病を発症した真性赤血球増加症

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タイトル別名
  • Polycythemia Vera Progressing to Acute Lymphoblastic Leukemia After 13 Years

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抄録

症例は54歳,女性。1981年近医で白血球増多を指摘され,1982年2月当科初診となった。汎血球増加症,好中球アルカリホスファターゼ指数高値,血清ビタミンB12高値,循環赤血球量増加,脾腫などから真性赤血球増加症(PV)と診断した。瀉血と,一時期ピポブロマンあるいはヒドロキシカルバミドで加療していた。1995年8月に,脾腫増悪と末梢血中に芽球出現し,急性白血病の合併が疑われ入院となった。入院時の理学的所見では,脾腫を臍下10 cmに触知。全身に点状出血,紫斑を認めた。入院時の血液検査では,白血球26,500/μlでそのうち芽球43%と増加し,その芽球の細胞表面マーカーはCD10+CD19+CD20+であり急性リンパ性白血病(ALL)と診断した。ビンクリスチン,プレドニゾロンによる治療を行い軽快した。PVに急性リンパ性白血病の合併報告は稀であり,本症がリンパ系を含めた多能性幹細胞の腫瘍性疾患であることを示唆する症例と考え文献的考察を加えて報告する。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 37 (12), 1405-1409, 1996

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (14)*注記

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