IFN-α治療中にクリオグロブリン血症,末梢神経障害を認めた慢性骨髄性白血病

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タイトル別名
  • Development of Cyroglobulinemia and Polyneuropathy in a Chronic Myeloid Leukemia Patient during Interferon-alpha Treatment

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抄録

症例は50歳,男性。白血球増多と腰痛を主訴に1997年7月当科入院。白血球数329,400/μl, Ph1染色体陽性,腰椎MRIにて第1, 4腰椎に髄外腫瘤を認め,慢性骨髄性白血病移行期と診断した。ビンクリスチン,プレドニソロン,ハイドロキシウレア,Ara-Cの投与および腰椎に対する放射線療法により,血液学的効果および髄外腫瘤の縮小を認め,その後インターフェロン(IFN)-α 300∼600万単位の投与を開始。開始8週後より,感覚神経優位の軸索障害型末梢神経障害が出現,免疫学的検査にて低補体価とIII型混合型クリオグロブリン(CG)血症を認めた。メチルプレドニゾロンパルス療法を行うことにより症状は軽減,CGも減少傾向を示した。本症例は慢性骨髄性白血病とCGが合併し,IFN-αの投与によりCGの増加をきたし,末梢神経障害が生じたと推論され,IFN-αによる副作用の一つである末梢神経障害の成因を考える上で興味ある1例であると考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 40 (4), 324-329, 1999

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (15)*注記

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