赤芽球癆を合併した血管免疫芽球型T細胞リンパ腫

書誌事項

タイトル別名
  • Angioimmunoblastic T-cell lymphoma accompanied with pure red cell aplasia
  • 症例 赤芽球癆を合併した血管免疫芽球型T細胞リンパ腫
  • ショウレイ セキ ガキュウロウ オ ガッペイ シタ ケッカン メンエキ ガキュウガタ Tサイボウ リンパ シュ

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抄録

症例は71歳の女性。平成14年12月,表在リンパ節腫脹・肝脾腫・胸水を認め入院した。直接間接クームス試験・抗2本鎖DNA抗体陽性でCH50は低下しており,ヘモグロビン5.9 g/dlと高度貧血を認めた。しかし,網赤血球は1‰でありLDHアイソザイム3型が増加し,骨髄は正形成で異常細胞浸潤はなく赤芽球を認めなかった。リンパ節生検は高内皮細静脈の樹枝状増生・異型T細胞増殖を示し,赤芽球癆(PRCA)を合併した血管免疫芽球型T細胞リンパ腫(AILT)と診断した。THP-COP療法によりリンパ節は縮小すると共にクームス試験は陰性化し網赤血球は増加した。本例は自己抗体陽性・補体低下などの免疫異常を呈し,化学療法によりAILTおよびこれら免疫異常は軽快し,さらにPRCAも寛解した。本例はPRCA発症病態へAILTの免疫学的異常が関与することを示唆する。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 46 (3), 211-216, 2005

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (10)*注記

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