本態性血小板血症治療後に発症し,長期間寛解を維持している非ホジキンリンパ腫

書誌事項

タイトル別名
  • Long-term remission of non-Hodgkin lymphoma secondary to the treatment for essential thrombocythemia
  • 症例報告 本態性血小板血症治療後に発症し,長期間寛解を維持している非ホジキンリンパ腫
  • ショウレイ ホウコク ホンタイセイ ケッショウバン ケツショウ チリョウ ゴ ニ ハッショウ シ チョウキカンカンカイ オ イジ シテ イル ヒホジキンリンパ シュ

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抄録

症例は61歳女性。1987年8月,本態性血小板血症と診断(45歳時)され,心筋梗塞の既往があるためbusulfanおよびranimustine投与が行われた(総投与量は,378 mgおよび700 mg)。2000年6月頃より,貧血の進行と末梢血中に数%の芽球を認めるようになった。骨髄生検にて骨髄線維症と診断し,蛋白同化ホルモンの治療を開始した。2003年2月,腹部膨満感を自覚するようになり,腹部CT検査にて径6 cmの傍大動脈リンパ節腫脹を認めた。リンパ節生検による免疫組織染色にて,CD20およびCD79a陽性であり,びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断(臨床病期はstage I)。表面マーカーは,CD10+CD19+CD20+κ+であった。rituximab併用多剤併用化学療法と局所への放射線照射により57ヶ月間寛解を維持している。ET治療後に発症する二次性悪性リンパ腫は稀であり発症機序や臨床像の解明には症例の蓄積が必要である。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 50 (3), 197-202, 2009

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (15)*注記

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