慢性骨髄性白血病の発症で偶発的に発見された先天性フィブリノゲン異常症

書誌事項

タイトル別名
  • Congenital dysfibrinogenemia coincidentally diagnosed at the onset of chronic myelogenous leukemia
  • 症例報告 第169回日本血液学会例会:臼杵憲祐例会長 推薦演題 慢性骨髄性白血病の発症で偶発的に発見された先天性フィブリノゲン異常症
  • ショウレイ ホウコク ダイ169カイ ニホン ケツエキ ガッカイ レイカイ:ウスキケンユウレイカイチョウ スイセン エンダイ マンセイ コツズイセイ ハッケツビョウ ノ ハッショウ デ グウハツテキ ニ ハッケン サレタ センテンセイ フィブリノゲン イジョウショウ

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抄録

34歳男性。飛蚊症にて近医眼科を受診し,両側眼底出血および白血球増多を指摘された。当科紹介受診し,末梢血・骨髄で各成熟段階の白血球増多およびフィブリノゲン(fibrinogen, Fbg)低値を認めた。染色体・遺伝子検査にて慢性骨髄性白血病と確定診断し,nilotinibで治療を開始した。経過中,凝固異常は認められなかったがFbgは常に低値であった。Fbg抗原量は基準範囲であったが活性が低下していたため,Fbg異常症と診断した。遺伝子検査にてγ308AAT→AAGのヘテロ置換が同定された。同様の変異は患者の母親でも認められた。本症例のように無症状であれば日常生活において出血のリスクは低いと考えられるため治療の必要はないが,大手術や出血を伴う外傷時などには補充療法を必要とすることがある。原因不明のFbg低値の鑑別としてFbg異常症・欠損症を考慮し,必要に応じて精査する必要があると思われる。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 55 (5), 541-545, 2014

    一般社団法人 日本血液学会

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