タンパク質換算を用いた小麦アレルギー患者への除去解除指導(第4報)

  • 楳村 春江
    あいち小児保健医療総合センターアレルギー科 名古屋学芸大学大学院栄養科学研究科
  • 小田 奈穂
    あいち小児保健医療総合センターアレルギー科
  • 小林 貴江
    あいち小児保健医療総合センターアレルギー科
  • 漢人 直之
    あいち小児保健医療総合センターアレルギー科
  • 和泉 秀彦
    名古屋学芸大学大学院栄養科学研究科
  • 伊藤 浩明
    あいち小児保健医療総合センターアレルギー科

書誌事項

タイトル別名
  • Diet instructions to release patients with wheat allergies from elimination using conversion of protein content in the wheat products

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抄録

【目的】小麦アレルギー患児に対して,経口負荷試験の結果に基づく定量的な除去解除指導について検討した.【方法】2010年9月~2011年7月に当科でうどん経口負荷試験を実施し,閾値量と症状の重症度に基いて,うどん2 g以上の摂取開始基準を満たした35人(月齢中央値24か月)を対象とした.うどんやパスタなどを計量して摂取し,安全性が確認されたら1.1~1.2倍ずつ増量した.他の小麦製品や調理法は,含有する小麦タンパク質量を換算して摂取許容量を指導した.1年後の摂取到達量を,この食事指導を開始する前のコントロール群37名と比較検討した.【結果】経過中の誘発症状は口周囲の違和感や発赤などの軽微なもののみであった.1年後摂取到達量は,中央値で80 gであり,コントロール群(中央値30 g)と比較しても有意に多かった.しかし,うどんのみを定量的に食べている症例や,小麦含有量の少ない菓子類だけを換算して食べている症例もあった.【結論】今回の食事指導は,小麦除去の解除を安全に効率よく進める上で有効であった.一方,日常の食生活にアレルゲン食品を導入していくために,より詳細な指導が必要な患児も見られた.<br>

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参考文献 (4)*注記

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