沖縄型神経原性筋萎縮症(HMSN-P)の疾患概念の確立と歴史

  • 髙嶋 博
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科神経病学講座神経内科・老年病学分野

書誌事項

タイトル別名
  • History of Hereditary motor and sensory neuropathy with proximal dominant involvement (HMSN-P)

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抄録

沖縄地方に多発する感覚障害をともなう遺伝性神経原性筋萎縮症は,沖縄型神経原性筋萎縮症(Hereditary motor and sensory neuropathy with proximal dominant involvement; HMSN-P)と命名されている,成人発症,常染色体優性遺伝の筋萎縮症である.本症は,1983年(昭和58年)の厚生省の筋ジストロフィー班で報告された.1989年,中原らにより本症の病像が明確に記載され,1997年には,Takashimaらにより遺伝子座を同定とともに新しい疾患概念として海外に紹介された.本症の主病変は,脊髄前角,後索,後根神経節であり,運動・感覚性ニューロノパチーの病態である.本症は,ニューロパチー,脊髄性筋萎縮症,運動ニューロン病の病態を併せ持つ疾患と考えられる.

収録刊行物

  • 臨床神経学

    臨床神経学 53 (11), 1196-1198, 2013

    日本神経学会

参考文献 (3)*注記

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