フォークリフトでの下腹部圧挫による遅発性S状結腸穿孔の1例

• 石原 寛治

  大東中央病院外科

• 田中 肖吾

  兵庫医科大学肝胆膵外科

• 橋場 亮弥

  石切生喜病院外科

• 大畑 和則

  石切生喜病院外科

• 上西 崇弘

  石切生喜病院外科

• 山本 隆嗣

  石切生喜病院外科

書誌事項

タイトル別名

• A Case of Delayed Sigmoidal Colon Perforation After Lower Abdominal Blunt Trauma from a Fork-Lift Truck

抄録

要旨：症例は30代の男性。3日前，左下腹部鼠径靭帯頭側を圧挫し出張先で近医受診，腹部所見・腹部X線検査で異常なく自宅安静となったが腹痛と発熱が増強し当院受診した。循環動態は安定し左下腹部の鈍的外傷痕も軽微であったが，腸蠕動音減弱と腹部全体の筋性防御を認めた。腹部単純X線・CT検査で両横隔膜下・S状結腸間膜側に遊離ガス像を認め下部消化管穿孔を疑い緊急開腹手術施行した。糞便による汚染はほとんどなく肉眼的にS状結腸間膜側の穿孔は1cm程度であったが，挫滅穿孔部を含めS状結腸部分切除し一期的端々吻合した。切除標本の検索で穿孔は間膜側半周におよんでいた。腹部鈍的外傷が軽微で受傷早期に消化管穿孔の所見がなくとも，腸間膜側損傷の場合は遅れて所見が出ることがあり，経時的腹部所見の観察が必要である。

収録刊行物

• 日本腹部救急医学会雑誌

  日本腹部救急医学会雑誌 33 (7), 1223-1226, 2013

  日本腹部救急医学会

キーワード

• 腹部鈍的外傷
• 大腸穿孔
• 腹膜炎

詳細情報

• CRID: 1390282679714179456
• NII論文ID: 130004509198
• DOI: 10.11231/jaem.33.1223
• ISSN: 18824781
• ISSN: 13402242
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2014078302
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可