非髄膜炎菌性Waterhouse-Friderichsen症候群を発症した2型糖尿病患者の1剖検例

書誌事項

タイトル別名
  • Waterhouse-Friderichsen Syndrome Due to Non Meningococcal Infection in a Type 2 Diabetic Patient
  • 症例報告 非髄膜炎菌性Waterhouse-Friderichsen症候群を発症した2型糖尿病患者の1剖検例
  • ショウレイ ホウコク ヒズイマクエンキンセイ Waterhouse Friderichsen ショウコウグン オ ハッショウ シタ 2ガタ トウニョウビョウ カンジャ ノ 1 ボウケンレイ

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抄録

症例は78歳,男性.右膝化膿性関節炎にて入院加療中であった.第12病日,低血糖発作があり,その後,意識障害,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation: DIC), 敗血症性ショックを呈し,発症後1日で永眠した.剖検にて,両側副腎の広範な出血性壊死,複数臓器の血栓症を認め,Waterhouse-Friderichsen症候群(WFS)と診断した.<br>本症例では起因菌が髄膜炎菌でなく,methicillin-susceptible Staphylococcus aureus (MSSA)と考えられた.WFSでは副腎出血による副腎機能不全の早期診断,早期治療が予後改善に期待されるが,一般的に特徴的な症候に乏しく,また急速に悪化する経過のため困難である.糖尿病を合併した敗血症患者では,低血糖発作などから本症候群の合併を考慮し,早期に精査,加療する必要があると考えられた.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 52 (9), 799-804, 2009

    一般社団法人 日本糖尿病学会

参考文献 (26)*注記

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