生食洗浄法を用いた子宮内膜細胞診の成績

書誌事項

タイトル別名
  • Results of endometrial cytology using slides prepared by saline washing method

この論文をさがす

抄録

目的 : 癌の見落としである子宮内膜細胞診の偽陰性を減らす.<br>方法 : 採取器具はエンドサイトないしソフトサイトを用い, 石井らの提唱した生食洗浄法にて処理した. 細胞診所見では集塊を重視し, 樹枝状, 乳頭状, 不整形の集塊をチェックした. 2007 年からの 5 年間の成績を検討した.<br>成績 : 材料適切な 1680 件の内訳は悪性 118 件 7.0%, 悪性疑い 26 件 1.5%, 鑑別困難 95 件 5.7%, 良性 1441 件 85.8%であった. 細胞診にて悪性と判定した 118 件中の 116 件に組織診断が施行され, 全例組織診で癌 (癌肉腫を含む) が確認され, 偽陽性はなかった. 悪性疑いの 26 件中 25 件に組織診断が施行され, 癌は 23 件で, 1 件は異型増殖症で, 1 件のみが腫瘍なしであった. 組織診で確認された子宮体癌 (癌肉腫を含む) は 107 例で, その初回細胞診は悪性 76 例 71.0%, 悪性疑い 13 例 12.2%, 鑑別困難 13 例 12.2%で, 鑑別困難以上に判定できたのは 95.1%であり, 偽陰性は 4.6%であった. 偽陰性例は再検討した結果, 全例サンプリングエラーと考えられた.<br>結論 : 生食洗浄法は内膜細胞診の処理法として優れている.

収録刊行物

参考文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ