超音波による乳癌検診は死亡率を減少させるか(5)超音波による検診は乳癌死亡率を減少させるか?‐超音波発見乳癌のマンモグラフィ所見からの考察‐

書誌事項

タイトル別名
  • Can Breast Cancer Deaths be Reduced by Screening with Ultrasound?
  • ―超音波発見乳癌のマンモグラフィ所見からの考察―

抄録

本邦では2004年より40歳以上の女性に対し, MMG検診が始まった。しかし40歳代の女性の乳房構成は不均一高濃度や高濃度が多く, 腫瘤の認識が困難である。一方, 超音波 (US) は石灰化の検出は劣るものの乳腺量にかかわらず腫瘤を描出できることから, USの若年者に対する有効性を検証した。トヨタ記念病院の健診センターでは1991年からUS乳癌検診を行ってきた。1991~2005年までに延べ52,296人が受診し, 83人の乳癌が発見されたが (発見率0.16%), 機器の精度と検者である医師の精度が向上したため要精検率は下がり, 癌発見率は上がっていた。2000年以降の検診発見癌42例のMMG画像を検討すると, カテゴリー (Cat.) 1が21%で若年者ほど高い傾向にあった。同時期の手術例354例について検討すると, Cat. 1が14%で, 年代別では30歳代38%, 40歳代で18%であった。一方, USで所見のなかったのは2% (30歳代0%, 40歳代2%) であったことから, USは30歳代, 40歳代乳癌の発見に優れていると考えられる。現在MMG検診の受診率は10%に満たない。一方, 検診にUSを採用している自治体は多数あるものの機器が不統一で, 検者の能力に差があり良好な結果が得られていないが, 機器を統一し充分な教育をすれば若年乳癌の発見率を上げることが可能と考える。

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参考文献 (3)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204460552448
  • NII論文ID
    130004513273
  • DOI
    10.3804/jjabcs.16.79
  • ISSN
    18826873
    09180729
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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