思春期の月経周期に対する鍼通電療法の効果の検討

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タイトル別名
  • Effects of electroacupuncture on menstrual cycle at puberty
  • シシュンキ ノ ゲッケイ シュウキ ニ タイスル シンツウデン リョウホウ ノ コウカ ノ ケントウ

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抄録

【目的】鍼治療が月経周期に及ぼす影響を明らかにする目的で、 月経周期の異常がある女子大学生25名に鍼通電療法を行い、 月経周期および排卵回数、 高温期日数の変化を検討した。 また、 鍼通電療法によるこれらの月経異常の改善効果と治療前の肥満度分類の関連性を検討した。 <BR>【方法】研究期間は7ヵ月間とし、 無治療期間 (治療前) と治療期間の各々3.5ヵ月を設定したAB法デザインで行った。 治療期間には1~2週間に1回、 鍼通電療法を行った。 対象者には研究期間を通して起床時の基礎体温を測定させ、 月経周期と1周期あたりの排卵回数および高温期日数を無治療期間 (治療前) と治療期間とで比較した。 さらに、 身長あたりの体重指数 (body mass index: BMI) を算出し、 治療期間中に月経周期および排卵回数、 高温期日数のいずれかが改善した例を改善群、 改善しなかった例を非改善群として、 鍼通電療法による改善効果と治療前の肥満度分類の関連性を検討した。 <BR>【結果】無月経においては治療期間で月経が生じ、 頻発月経では月経周期が有意に延長し (P<0.05)、 正常周期となった。 月経周期の改善は治療期間に全体の30.0%で見られたが、 排卵回数の増加および高温期日数の延長を示したのはそれぞれ20.0%、 25.0%であった。 また、 鍼通電療法による改善効果とBMIの関連性はなかったが、 改善群では普通体重の割合が高く、 非改善群では低い傾向にあった。 <BR>【考察および結語】鍼通電療法は卵胞発育に影響を与えた可能性があるが、 排卵生成と黄体機能の著明な回復までには至らなかったと考えられた。 月経周期の異常に対する鍼治療においては、 食習慣や運動状況等のライフスタイル、 体重のコントロールも視野に入れて行う必要があると考えられた。

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参考文献 (11)*注記

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