腹腔鏡下逆流防止手術症例における高齢者逆流性食道炎の臨床像

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  • GASTROESOPHAGEAL REFLUX DISEASE (GERD) AND ITS SURGICAL TREATMENT IN THE ELDERLY

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抄録

目的 : 手術症例の検討から, 高齢者逆流性食道炎の臨床像を明らかにし, 治療法を考察する. 方法 : 腹腔鏡下逆流防止手術を施行した35症例を65歳以上の高齢者と64歳以下の非高齢者群に分け, 両群間で性別, 主訴, 病悩期間, 裂孔ヘルニア (Type I-III) や短食道, Barrett食道の有無, 24時間pHテスト, 手術の短期・長期成績を比較した. 結果 : 手術症例35例中高齢者は18症例 (65~84歳, 平均73.1, 男女比3 : 15). 非高齢者群は17症例 (0~62歳, 平均31.4歳 小児例2例を含む, 男女比12 : 5) であり, 高齢者群で有意に女性が多かった. 主訴は高齢者群では胸焼けに加え呼吸器症状 (4例), 嘔吐 (5例) 体重減少 (3例) など多彩なであり, 平均病悩期間は高齢者群で有意に短かった. 術前24時間pHテスト, 食道裂孔ヘルニアのタイプも両群間で有意差はなかった. 手術成績は両群間で差はなかったが, 高齢者群の短食道症例2例でヘルニア再発を認めた. 高齢者群の有呼吸器症状症例は手術により全例で治癒/軽快した. 結論 : 高齢者逆流性食道炎は非高齢者に比しAFP分類上, 必ずしも重症であるとはいえないが, 高齢者群では多彩な症状を呈していた. 呼吸器症状は高齢者群に多く腹腔鏡手術が奏効した. 高齢者においてもフロッピーニッセン手術は安全に施行できるが, 短食道症例ではCollis-Nissen法などを考慮する必要がある.

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