膵管内乳頭粘液性腺癌の残膵再発切除後に発生した異時性の膵鉤部癌の1例

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  • A CASE OF REMNANT PANCREATIC CANCER FOLLOWING DISTAL PANCREATECTOMY AND PARTIAL PANCREATIC RESECTION FOR IPMC

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抄録

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は粘液貯留による膵管拡張を特徴とする腫瘍で,過形成,腺腫の良性腫瘍から腺癌までを含む疾患群であり,通常型の膵癌と比べ予後が良好と言われているが,再発や多中心性発生の可能性がある.今回,われわれは膵管内乳頭粘液性腺癌(IPMC)にて膵体尾部切除後の残膵再発を切除し,さらに膵鉤部に発生した膵癌に対し残膵全摘術を施行した症例を経験した.症例は59歳男性で,1999年4月微小浸潤を伴うIPMCにて膵体尾部,脾切除術施行した.2002年11月に膵断端に嚢胞性腫瘍を認め,膵部分切除術施行した.組織所見はIPMC由来の浸潤癌と診断された.2004年7月膵鉤部に腫瘍を認め,残膵全摘術を施行した.組織所見は浸潤性低分化型腺癌であり,異時性膵癌合併が示唆された.IPMNは粘液の漏出による再発,多中心性発生,通常型膵癌の合併の可能性があり,慎重な経過観察が必要である.

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