超音波検査にて術前診断した小児大腿ヘルニアの1例

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  • A CASE OF FEMORAL HERNIA IN A CHILD THAT WAS PREOPERATIVELY DIAGNOSED ON ULTRASOUND

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抄録

術前超音波検査にて診断しえた稀な小児大腿ヘルニアの1例を経験した.症例は9歳,男児.8歳時より右鼠径部に膨隆が出現,次第に大きくなり右鼠径ヘルニアを疑い当院受診となった.既往歴に6歳時,他院にて左鼠径ヘルニアの手術既往あり.右鼠径部やや足側に3cm大の膨隆を認めた.自発痛,発赤無く,還納可能であった.体表超音波検査にてヘルニア嚢はCooper靱帯腹側から足側にかけて認められ,ヘルニア門径は10.4mm,長径31.3mm.内容はirregular low echoicで,脂肪織の脱出を伴う大腿ヘルニアと診断した.治療は大腿法にて行い当日帰宅とした.現在まで再発は認めていない.小児大腿ヘルニアは稀なため術前診断は報告例の25%に留まっており,このためか多くの症例が鼠径法でアプローチされている.術前超音波検査はこの大腿ヘルニア診断に優れており,術式決定を含めて有用と考えた.

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