高齢発症し長期経過した潰瘍性大腸炎患者のcolitic cancerの1例

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  • A CASE OF COLONIC CANCER AROSE IN A LONG STANDING ULCERATIVE COLITIS IN AN ELDERLY PATIENT

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抄録

85歳,女性.1983年より他院でUCを指摘されていた.2005年に紹介医でCFを施行され下行結腸にLST病変を指摘,生検でGroup IVを指摘され当科紹介となった.当院CFで上行結腸から直腸にかけて多数の瘢痕を認め,下行結腸の瘢痕内に低隆起病変を認めた.注腸所見では盲腸からS状結腸にかけてのハウストラが消失し鉛管像を呈し,横行~S状結腸の拡張は認めず脾彎曲部に周囲に粘膜粗造を伴った辺縁不整な隆起性病変を認めた.以上UCを背景とした大腸癌の診断で腹腔鏡補助下大腸全摘術+回腸直腸吻合術を施行した.摘出標本では大腸粘膜は皺襞が消失,壁が軽度肥厚,下行結腸に5.8×5.0cmの平坦隆起性病変であった.病理組織所見では上皮内に限局するadenocarcinomaであり,腫瘍細胞は概ね隆起部に限局し腫瘍内の平坦粘膜部にDysplasiaを認め,今回の病変はDALMを背景にした上皮内癌が疑われた.高齢発症し長期経過後,大腸癌を合併した潰瘍性大腸炎患者の1例を経験したので報告した.

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参考文献 (4)*注記

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