乳頭部くりぬき円状部分切除術を施行した乳房Paget病の4例

書誌事項

タイトル別名
  • FOUR CASES OF PAGET'S DISEASE OF THE BREAST TREATED WITH CONE EXCISION

この論文をさがす

抄録

乳房Paget病は,乳頭・乳輪の表皮内浸潤を特徴とする癌で,乳管内進展がみられ,間質浸潤が存在しても軽度なもの,と定義されている.治療方法として,乳頭・乳輪に病変が存在することと,拡がり診断が困難なために,従来は乳房切除術をすべきとする報告が多かった.今回われわれは乳房Paget病を4例経験し,CTやMRIで病巣の範囲を確認後,乳頭・乳輪くりぬき乳房温存術を施行し,良好な経過を得たので文献的考察を含め報告する.症例1は57歳,症例2は88歳,症例3は59歳,症例4は45歳で全例女性であった.全例術前CTなどで病巣の範囲を推定し,乳頭乳輪に限局していると診断後,温存療法を行った.術後療法は施行せず,外来で経過観察中であるが,いずれの症例も現時点では再発を認めていない.CTやMRIによる乳管内進展の評価がPaget病に関しても術前診断として可能であり,進展範囲を診断することで,低侵襲な乳頭部くりぬき部分切除術で治癒手術可能である可能性が示唆された.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (5)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ