先天性第X因子欠乏症を伴った腹部大動脈瘤の1手術例

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  • A CASE OF ABDOMINAL AORTIC ANEURYSM WITH CONGENITAL FACTOR X DEFICIENCY

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抄録

先天性第X因子欠乏症に合併した腹部大動脈瘤に対して,凝固因子製剤の投与下で人工血管置換術を施行したので報告する.症例は84歳男性.平成7年4月に前立腺癌の疑いで前立腺針生検を予定されていたが,術前検査で凝固異常を認め,先天性第X因子欠乏症と診断された.平成19年1月,CTで瘤径60mmの腹部大動脈瘤を発見された.術前に複合型凝固因子製剤PPSB®-HTによる凝固因子の試験投与を行い,周術期の至適投与量を決定した.手術はPPSB®-HT投与下に人工血管置換術を施行した.第4病日までPPSB®-HTを補充し投与を終了したが,その後も異常出血はなかった.術前に凝固因子製剤を用いた試験投与を行い,周術期の至適投与量を決定することで,ヘパリン投与を必要とする心臓血管外科手術においても,周術期に異常出血等の合併なく手術を施行することができた.

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