腹腔鏡下に摘出した後腹膜神経節神経腫の1例

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タイトル別名
  • Laparoscopical Extirpation of a Retroperitoneal Ganglioneuroma—Report of a Case—
  • 症例 腹腔鏡下に摘出した後腹膜神経節神経腫の1例
  • ショウレイ フククウキョウ カ ニ テキシュツ シタ アトバラマク シンケイセツ シンケイ シュ ノ 1レイ
  • Laparoscopical Extirpation of a Retroperitoneal Ganglioneuroma^|^mdash;Report of a Case^|^mdash;

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抄録

症例は40歳,男性.健診で偶然腹部腫瘤を指摘され,精査目的に当院を受診した.造影CT検査にて,約5cm大,不整形状,上腸間膜動脈左縁に密接する後腹膜腫瘤が認められた.確定診断が得られないことから,鏡視下に後腹膜腫瘍摘出術を行う方針となった.上腸間膜動脈に密着した腫瘍は白色調で被膜を有し,周囲組織から慎重に剥離しつつ摘出した.病理検査にて上腸間膜動脈周囲神経叢由来の神経節神経腫と診断された.神経節神経腫は全後腹膜腫瘍の中で0.7-1.8%と比較的まれな腫瘍であり,交感神経系腫瘍のうち最も分化度が高い良性腫瘍である.一般に発育は緩徐であり経過観察となることが多いが,本症例のように確定診断を得るためには摘出が必要である.大血管に近接する後腹膜腫瘍の鏡視下手術は未だ一般的とは言えない.しかし,鏡視下手術は拡大視効果により安全な摘出が可能であり,特に確定診断目的の摘出には有益であると考えられた.

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