肥大型心筋症の遺伝子診断:推進に向けての方策

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タイトル別名
  • Genetic Diagnosis for Hypertrophic Cardiomyopathy: How to Promote its Clinical Application
  • 医学と医療の最前線 肥大型心筋症の遺伝子診断 : 推進に向けての方策
  • イガク ト イリョウ ノ サイゼンセン ヒダイガタ シンキンショウ ノ イデンシ シンダン : スイシン ニ ムケテ ノ ホウサク

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抄録

肥大型心筋症は循環器領域における単一遺伝子疾患として最も高頻度である.本症において遺伝子解析研究は進んでいるものの,診療の一環として遺伝学的検査がおこなわれているのはごく一部の症例にとどまる.本稿では,肥大型心筋症の遺伝学的検査が診療現場で進まない原因を分析し,診療の一環として位置づけられるために解決すべき問題点を挙げ,解決方法を考察した.診療体制重点化,疾患レジストリー確立・運用,精度保証された集中解析拠点確立,変異-臨床所見データベース確立・運用を柱にした体制が理想的と考える.持続可能な制度の設計と財源確保が必要なのは言うまでもないが,そのワークフローを支える人材育成,医療者・一般国民に対する遺伝教育,データ管理手法の決定,社会のコンセンサス獲得,ガイドライン・法整備などおこなうべき課題はきわめて多い.現在「医療」が抱える多様な問題を「遺伝医療」という観点から深く再考察することがもとめられる.

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