亜急性甲状腺炎を早期診断により外来加療し改善し得た長期血液維持透析患者の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of subacute thyroiditis in a patient on hemodialysis
  • 症例報告 亜急性甲状腺炎を早期診断により外来加療し改善し得た長期血液維持透析患者の1例
  • ショウレイ ホウコク アキュウセイ コウジョウセンエン オ ソウキ シンダン ニ ヨリ ガイライ カリョウ シ カイゼン シエタ チョウキ ケツエキ イジ トウセキ カンジャ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

 症例は49歳, 男性. 巣状糸球体硬化症による慢性腎不全のため維持透析施行中であったが, 発熱, 感冒症状, 炎症反応上昇があり, 感冒薬, 抗菌薬にて経過をみていた. 1週間後に, 頸部腫脹がみられたため甲状腺ホルモンを測定したところTSH (0.021μU/mL) と低値で, free T3 (5.3pg/mL), free T4 (1.62ng/mL) は高値であったが, 甲状腺自己抗体は陰性であった. 甲状腺エコーでは, 軽度の腫脹と低エコー域がみられ, 亜急性甲状腺炎と診断しprednisolone (20mg/日) を投与開始した. 1週間後には症状は軽快し甲状腺ホルモン, 炎症反応ともに正常化した. prednisoloneを漸減, 1か月後中止, 外来加療のみにて軽快した. 透析患者の甲状腺機能亢進症の報告はまれであり, そのほとんどはGraves病である. 今回, われわれは透析歴13年の維持透析患者に亜急性甲状腺炎を発症した症例を経験したので報告する.

収録刊行物

参考文献 (8)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ