血管性認知障害の脳循環代謝病態

  • 山崎 貴史
    秋田県立脳血管研究センター神経内科学研究部
  • 高野 大樹
    秋田県立脳血管研究センター神経内科学研究部
  • 前田 哲也
    秋田県立脳血管研究センター神経内科学研究部
  • 長田 乾
    秋田県立脳血管研究センター神経内科学研究部

書誌事項

タイトル別名
  • Hemodynamic correlates of vascular risk factors in vascular dementia and Alzheimer's disease

抄録

血管性危険因子の観点から血管性認知症(VaD)157例とアルツハイマー病(AD)59例を対象にSPECTを用いて脳循環代謝病態を検討した.VaD 157例中122例(77.7%)で前頭葉に,114例(72.6%)で側頭・頭頂葉の低灌流を認めた.VaDの病型別ではビンスワンガー型の76.8%,多発梗塞性認知症の87.2%で前頭葉の低灌流を認め,前頭葉の低灌流がVaDに特徴的な所見であることが確認された.ADでは全例に血液生化学検査,神経心理学的評価,MRIおよびSPECTを行った.MMSEの成績に対して年齢およびBNP,HOMA-Rは有意な負の相関関係を示した.MRI上で脳血管病変を有するA群は有さないB群と比較して,前頭葉に有意の低灌流を認めた.HOMA-R高値群で両側前頭葉内側面,BNP高値群では両側前頭葉内側面で有意の低灌流を呈した.脳血管病変を有するADでは前頭葉に低灌流を認め,血管性危険因子がADの病態を修飾している可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 32 (6), 628-633, 2010

    一般社団法人 日本脳卒中学会

参考文献 (14)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204637306880
  • NII論文ID
    130004543118
  • DOI
    10.3995/jstroke.32.628
  • ISSN
    18831923
    09120726
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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