抗凝固療法中に慢性硬膜下血腫を発症した機械弁置換術後患者の周術期管理における問題点

書誌事項

タイトル別名
  • Perioperative management of chronic subdural hematoma in patients undergoing anticoagulation therapy after valve replacement

この論文をさがす

抄録

【背景および目的】凝固療法中に慢性硬膜下血腫を発症した機械弁置換術後患者の周術期管理における問題点を検討した.【方法】弁置換術後のワーファリンによる抗凝固療法中に慢性硬膜下血腫を発症した5例を対象とし,周術期における凝固時間測定回数,頭部CT撮影回数,抗凝固療法の中止時期および中和の有無,抗凝固療法の再開時期,弁血栓の有無などについて後ろ向きに検討した.【結果】全例で血腫の再発,弁血栓による弁機能不全や血栓塞栓性合併症を認めなかったが,1例は術後,多臓器不全により死亡した.【結論】機械弁置換術後の抗凝固療法中に生じた慢性硬膜下血腫患者に対しては,現時点では血腫の発症・再発予防および血栓塞栓性合併症の発症予防のための具体的なPT-INR値の指標は存在せず,心臓超音波検査による弁血栓の評価を行いながら,頻回の頭部画像検査および血液凝固時間測定に基づいた厳重な周術期管理を行うべきである.

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 34 (5), 310-316, 2012

    一般社団法人 日本脳卒中学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ