Mycobacterium chelonae による皮膚感染症の2例

  • 眞鍋 泰明
    東海大学医学部医学科専門診療学系皮膚科学
  • 生駒 憲広
    東海大学医学部医学科専門診療学系皮膚科学
  • 加藤 正幸
    東海大学医学部医学科専門診療学系皮膚科学
  • 赤坂 江美子
    東海大学医学部医学科専門診療学系皮膚科学
  • 田宮 紫穂
    東海大学医学部医学科専門診療学系皮膚科学
  • 松山 孝
    東海大学医学部医学科専門診療学系皮膚科学
  • 小澤 明
    東海大学医学部医学科専門診療学系皮膚科学
  • 中村 英子
    東海大学医学部医学科専門診療学系形成外科学
  • 宮坂 宗男
    東海大学医学部医学科専門診療学系形成外科学
  • 若林 孝幸
    東海大学医学部医学科専門診療学系血液腫瘍リウマチ内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Two Cases of Cutaneous Mycobacterium chelonae Infection

抄録

症例1:20歳代,男性。5年前に皮膚筋炎と診断され,ステロイドおよびアザチオプリンにより加療されていた。右上肢に皮下膿瘍が出現し,膿汁より Mycobacterium chelonae(以下,M. chelonae) を同定した。切開排膿およびデブリードマンと洗浄,8週間の CAM(クラリスロマイシン)内服で5ヶ月後に治癒した。症例2:50歳代,男性。尋常性天疱瘡に対し,5年来のステロイド内服に加え,血漿交換療法,各種免疫抑制療法を施行していた。転倒で右足背を受傷し,その6ヶ月後,受傷部位に皮下硬結が出現した。皮膚生検を施行し,組織より M. chelonae を同定した。CAM 内服を27週間継続したが,皮下結節の増数あり,PUFX(プルリフロキサシン)内服を追加,その後,1年2ヶ月増悪なく経過している。症例1,2ともに,原疾患に対する治療による免疫抑制状態に生じており,病変は皮膚に限局していた。症例2では完治に至っておらず,抗菌薬治療には限界があると考えた。M. chelonae 感染症の本邦既報告例の治療法をまとめ,薬剤感受性試験についても考察を加えた。(皮膚の科学,11: 96-102, 2012)

収録刊行物

  • 皮膚の科学

    皮膚の科学 11 (1), 96-102, 2012

    Meeting of Osaka Dermatological Association/Meeting of Keiji Dermatological Association

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