仮性黒色表皮腫10症例―肥満対照群14例とのインスリン抵抗性の比較検討―

書誌事項

タイトル別名
  • Pseudo-Acanthosis Nigricans, 10 Cases-Comparison of Their Insulin Resistance with Those of 14 Cases of Obesity Control without Pseudo-acanthosis Nigricans

抄録

良性黒色表皮腫では仮性黒色表皮腫をふくめて,いずれの病型でも,インスリン抵抗性が見られ,その高インスリン,高インスリン様発育因子により皮膚ケラチノサイトが増殖してpapillomatosis,すなわち黒色表皮腫を発症する。仮性黒色表皮腫では肥満と伴うことを特徴とする。肥満でのインスリン抵抗性はよく知られている。著者は仮性黒色表皮腫10症例を報告すると共に,そのインスリン抵抗性を仮性黒色表皮腫を伴わない肥満症例14症例と比較した。インスリン抵抗性はHOMA指数及び75gOGTT,前30分,120分後の血清インスリン値を測定した。IRは前者で明らかに後者より高い。仮性黒色表皮腫は体重減少と共に皮疹は消失する。したがって仮性黒色表皮腫ではその肥満により増幅されたIRが関与することは明らかで,ある場合は仮性黒色表皮腫患者での潜在性インスリン伝達系異常が肥満のIRによって顕現性となり発症することもありうると推定された。

収録刊行物

  • 皮膚の科学

    皮膚の科学 3 (4), 362-373, 2004

    Meeting of Osaka Dermatological Association/Meeting of Keiji Dermatological Association

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