腹部大動脈瘤‐腸骨動脈瘤手術におけるコラーゲンシールドウーブングラフトおよびノンシールドウーブングラフトの比較検討

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  • Comparison of Sealed Woven Polyester Grafts with Non-sealed Woven Polyester Grafts in Abdominal Aortic Surgery

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抄録

腹部大動脈瘤-腸骨動脈瘤に対するウーブンダクロン人工血管置換術においてコラーゲンシールドグラフトとノンシールドグラフトの術後炎症所見を比較検討した.2002年から2007年の102例を対象とし,人工血管はコラーゲンシールドグラフト,C群(INTERGARDTM woven graft : n=77)およびノンシールドグラフト,N群(UBE woven graft 50 cc WYL type : n=25)を使用した.2群において術後炎症所見として白血球数,CRP値,体温,臨床経過などを比較検討した.C群:N群において,年齢74±9歳:71±7歳,女性18%:12%で差はなく,人工血管はY-graftまたはI-graftとして用いた.手術時間は210±58分:214±63分で差はなかった.術中赤血球輸血は5%:28%(p=0.001)とN群で多く,術後赤血球輸血は10%:20%(p=0.21)とN群で高い傾向にあった.術後1,3,5,7日目での白血球数,体温は2群間で差はみられなかった.CRP(mg/dl)値は術後5日目,7日目で6.86±2.75:9.57±5.76(p=0.02),3.93±2.01:5.83±3.89(p=0.02)でありN群において高値を示した.術後在院日数は16.8±8.2日:15.6±6.0日で,術後2週間を超える37度以上の体温の上昇はC群2例,N群1例でみられた.コラーゲンシールドグラフトとノンシールドグラフトにおいて術後炎症所見の臨床的大差はみられなかった.

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