僧帽弁位活動期感染性心内膜炎の前交連部に folding plasty が有効であった若年者の1例

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タイトル別名
  • A Juvenile Case of Folding Plasty for Mitral Active Infectious Endocarditis

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抄録

僧帽弁位の活動期感染性心内膜炎に対して積極的に僧帽弁形成術が行われ,若年者では成長と遠隔成績を考慮して可能な限り弁形成術を行うことが望ましい.症例は15歳の男性で発熱と全身倦怠を主訴に受診した.既往にアトピー性皮膚炎と気管支喘息があった.血液培養検査にてStaphylococcus aureusが同定された.心エコー検査では,前交連部に15×18 mmの疣腫と高度の僧帽弁逆流を認めた.入院後に抗菌薬治療を開始し,10日目に手術を施行した.前交連部の疣腫を超音波手術器で吸引除去し,破壊された弁尖を切除した.Compression sutureで弁尖が欠損した前交連の弁輪部の一部を縫縮し,folding plasty手技を用いて弁尖や弁輪を縫合して人工材料なしで弁形成術を行った.術後経過は良好で,術後2年を経過観察し,心エコー検査で軽微な僧帽弁逆流を呈するのみで,元気に高校生活を送っている.手術手技を工夫することで活動期感染性心内膜炎に対して可及的に弁尖を温存し,人工材料なしで僧帽弁形成術を行うことが可能であった.

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