Brueckner testの文献的考察

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  • Historical perspective of the Brückner test

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抄録

要約.スイスの眼科医 R. Brücknerは1960年代初頭、乳幼児の斜視や不同視のスクリーニングを目的とした新しい臨床検査法を考按した。Brücknerの原著と関連論文を検討して、Brückner testの原理・方法・臨床応用を解読した。<BR> 目的.Brücknerが1962年と1965年にOphthalmologicaに発表したドイツ語による<BR>原著論文を検討した。また、Brückner testを主題とした関連論文と臨床応用として発展したphotoscreeningについての論文をまた検討した。<BR> 原理.Brückner testの原理は、直像眼底鏡の同軸照明観察共役光学系を用いることである。両眼を眼前1mから徹照して眼底からの反射光を反映した瞳孔領の明るさの左右差を求める。いわゆるBrückner reflexは正常では両眼対称に暗く見える。弱視リスク要因(斜視、不同視など)がある場合は非対称になり、そのことを手掛かりにして、また瞳孔の動きを参考にして斜視や不同視を検出することができる。こうしたBrückner testを応用したphotoscreeningは、視覚発達期にある乳幼児の眼位異常や屈折異常や白色瞳孔などのスクリーニング検査として、欧米諸国においては普及段階にある。<BR> 考察.Brückner testは、日本ではほとんど知られていない。定性検査よりも定量検査を好む傾向があること、眼底の色素濃度が欧米人よりも大きいため反射光が比較的微弱であること、視能訓練士が日常業務で直像鏡を使用する機会が少ないことなどが背景にあるのであろう。

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