遺残扁桃がIgA腎症の予後に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effects of residual tonsillar tissue on the IgA nephropathy prognosis

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抄録

扁摘パルス療法後も尿所見の緩解が得られなかったIgA腎症症例のうち, 遺残扁桃が認められた24例について検討した. 遺残扁桃の部位は, 下極22例91.7%, 上極3例12.5%, 扁桃窩中央8例33.3%であり, 三角ひだ内の副扁桃 (中間扁桃) が増殖した例が1例あった. 再手術後1年以上の経過観察が行えた13症例のうち11例84.6%で尿潜血が消失し緩解が得られた. 遺残扁桃摘出術後, 尿所見が陰性化するまでの期間は1~5ヶ月で平均2ヶ月であった. 以上より, 遺残扁桃がIgA腎症の予後に与える影響は大きく, 扁摘パルス療法を行った後も, 尿潜血が持続するときは, 遺残扁桃を疑い精査する必要があると考えられた.

収録刊行物

  • 口腔・咽頭科

    口腔・咽頭科 24 (2), 167-170, 2011

    日本口腔・咽頭科学会

参考文献 (14)*注記

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