神経血管圧迫症候群を疑った持続時間の短い耳鳴症 167 例の統計的観察
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- 黒田 建彰
- 黒田耳鼻咽喉科医院
書誌事項
- タイトル別名
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- Statistical observation of 167 cases of short intermittent tinnitus, probably due to neurovascular compression syndrome
抄録
当医院では過去 20 年間に、聴神経の血管圧迫症候群を疑った耳鳴 167 例を経験した。数秒ほどの断続的耳鳴で、日に数回 - 数十回生じる耳鳴であった。うち 163 例でテグレトールによる治療を行った。男女比は 57:110 と女性に多く、発症年齢は 61 歳以上が 57%(95/167)と高齢者に多かった。片側性耳鳴が98%(164/167)とほとんどであり、耳鳴側と反対側の平均聴力の差はほとんど認められなかった。テグレトールが効果を示し、耳鳴消失が 69 例、著効が 26 例で、合計で 58%(95/163)であった。高齢者(61 歳以上)では消失と著効の合計が 73%(66/91)で、60 歳以下の 40%(29/72)よりテグレトールの効果が高かった。めまいを伴う群では消失・著効が 86%(24/28)で、耳鳴単独群の 53%(71/135)より効果が高かった。長期的観察では、数日から数年続く耳鳴を 1 年 - 数年の間隔で繰り返す症例が多かった。
収録刊行物
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- 耳鼻と臨床
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耳鼻と臨床 59 (3), 101-107, 2013-05-20
耳鼻と臨床会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679548949120
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- NII論文ID
- 130004555608
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- ISSN
- 21851034
- 04477227
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可