妊娠を契機に発症した慢性特発性偽性腸閉塞症の1例

• 田島 陽介

  新潟大学大学院消化器・一般外科

• 飯合 恒夫

  新潟大学大学院消化器・一般外科

• 野上 仁

  新潟大学大学院消化器・一般外科

• 亀山 仁史

  新潟大学大学院消化器・一般外科

• 島田 能史

  新潟大学大学院消化器・一般外科

• 伏木 麻恵

  新潟大学大学院消化器・一般外科

• 関根 和彦

  新潟大学大学院消化器・一般外科

• 細井 愛

  新潟大学大学院消化器・一般外科

• 畠山 勝義

  新潟大学大学院消化器・一般外科

• 梅津 哉

  新潟大学大学院病理

書誌事項

タイトル別名

• A Chronic Idiopathic Intestinal Pseudo-obstruction Triggered by Pregnancy

抄録

症例は女性で，23歳・妊娠12週時より腹痛・嘔吐が出現した．画像上小腸全体の拡張を認めたが，器質的な閉塞機転を認めず，機能的な腸管運動不全が疑われた．出産後も症状は軽快せず，24歳時に回盲部切除術を施行された．病理組織学的検査所見で腸管神経節細胞脱落を認め，慢性特発性偽性腸閉塞症（chronic idiopathic intestinal pseudo-obstruction；以下，CIIPと略記）と診断された．25歳時にさらに大腸亜全摘・回腸人工肛門術を施行されたが，症状は改善しなかった．29歳時に空腸人工肛門造設術を施行後，症状が軽快し経口摂取可能となった．CIIPの発症機序は不明だが，近年その発症に自己免疫学的異常が関わるとする報告が散見される．一方，種々の自己免疫疾患と妊娠との関連が示唆されている．本症例もCIIP発症に自己免疫学的機序が関与しているかもしれない．

収録刊行物

• 日本消化器外科学会雑誌

  日本消化器外科学会雑誌 45 (3), 326-332, 2012

  一般社団法人 日本消化器外科学会

キーワード

• chronic idiopathic intestinal pseudo-obstruction
• pregnancy

詳細情報

• CRID: 1390282679896452864
• NII論文ID: 130004560811
• DOI: 10.5833/jjgs.45.326
• ISSN: 13489372
• ISSN: 03869768
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2012226240
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可