回盲弁lipohyperplasiaが誘因と考えられた回腸末端多発憩室炎の1例

  • 三浦 世樹
    公益財団法人佐々木研究所附属杏雲堂病院消化器外科
  • 川本 潤
    公益財団法人佐々木研究所附属杏雲堂病院消化器外科
  • 深田 忠臣
    公益財団法人佐々木研究所附属杏雲堂病院消化器外科

書誌事項

タイトル別名
  • Chronic Diverticulitis of the Terminal Ileum Concurrent with a Pedunculated Lypohyperplasia of the Ileocecal Valve

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抄録

症例は83歳の男性で,虫垂切除術の既往があり,健康診断で便潜血陽性を指摘され当科を受診した.下部消化管内視鏡,注腸造影で回盲弁を基部とした30 mm大の腫瘤を認めた.生検の結果正常粘膜の所見で,lipohyperplasiaと診断し経過観察していたが,6か月後に再度便潜血陽性となり,便通異常,軽度の右下腹部痛が出現した.CTでは回盲部腫瘤はfat densityに描出され,回腸末端に多発憩室を認めた.回盲部lipohyperplasia,回腸末端憩室症の診断で手術を施行した.手術は腹腔鏡補助下で開始したが回盲部と後腹膜が瘢痕状に癒着しており,開腹移行し回盲部切除術を施行した.病理組織学的診断にて,lipohyperplasiaおよび回腸末端多発憩室と診断された.回腸末端多発憩室は回盲弁のlipohyperplasiaによって回腸末端部の内圧が高まり,そのために回腸憩室が生じたと考えられた.

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