乳癌放射線治療後に発生した食道内分泌細胞癌(小細胞型)の1例

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タイトル別名
  • A Case of Small Cell Neuroendocrine Carcinoma of the Esophagus after Radiotherapy for Breast Cancer

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抄録

症例は54歳の女性で,38歳時に左乳癌にて定型的乳房切断術と54 Gyの術後照射を受けた.食事のつかえ感のため行った上部消化管内視鏡検査にて胸部上部食道に2型病変を指摘された.生検で内分泌細胞癌と診断された.FDGによるPET-CTでは,食道原発巣とNo. 101Rのリンパ節に集積を認めた.CDDP/CPT-11療法を2コース,さらにCDDP/VP-16療法を1コース施行した.原発巣は部分奏効となったが,リンパ節転移巣はprogressive diseaseと判断されたため外科的切除を行った.病理組織学的検査所見では腫瘍は小型の異型細胞よりなり,腫瘍細胞はchromogranin(+),synaptophisin(+),N-CAM(+)で,食道内分泌細胞癌と診断された.治療開始後5年間無再発生存中である.15年前の乳癌術後の放射線照射野に一致して発生した食道内分泌細胞癌の1例を報告した.

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参考文献 (21)*注記

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