当院における一年間の術中大量出血症例の検討

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  • The analysis of 17 massive hemorrhagic cases over 5000 ml during the surgery in 2012

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抄録

2012年一年間の手術中に発生した5000ml以上の大量出血症例について検討を加えた。麻酔科管理症例5546例のうち17例が該当した。術前輸血準備量,術中最低血圧値,術中の最低Hb値,最大時間当たりの出血量(吸引量などから推測),出血の原因,出血時の対応,100日予後を調査した。<br> 17例中100日の予後は死亡1例,生存16例であった。濃厚赤血球(Red cell concentrates:RCC)において,輸血準備量が十分であった症例は2例,不足した症例は15例であった。出血により危機的低血圧(収縮期血圧50mmHg以下)となった症例は5例あり,循環維持管理のために昇圧薬を使用した。異型輸血を実施した件数は3件であった。われわれ麻酔科医は普段から「危機的出血への対応ガイドライン」を熟知し輸血部との連携体制を整えておく必要がある。

収録刊行物

  • 蘇生

    蘇生 32 (2), 84-87, 2013

    日本蘇生学会

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