PVCの潜行性逆伝導が頻拍中の房室伝導に影響を与えたfast/slow型AVNRTの1例

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タイトル別名
  • PVC with appropriate coupling intervals affected the atrioventricular conduction during a fast/slow type of AVNRT

抄録

症例は動悸を主訴とする46歳,男性.発作時の心電図でnarrow QRS tachycardiaが記録されている.EPSではS1=600ms,S2=330msの心房期外刺激にて心室に2:1伝導する上室性頻拍が誘発された(心室の周期650ms,心房の周期320~350ms).房室伝導のブロック部位はHis束より近位で,心房興奮の最早期はCS入口部であった.2:1伝導の頻拍は連結期440~570msの範囲に限定されたPVCにより心房がリセットされずに1:1房室伝導に変化した.頻拍停止後の右室ペーシングにて頻拍中と同じsequenceで逆伝導を認めた.Para-Hisian pacingはAV nodal patternであった.頻拍はfast-slow型AVNRTであり,房室結節の下位共通路で2:1ブロックされていたものと診断した.PVCによる1:1伝導への変化は適度な連結期を有するPVCが下位共通路に侵入し,同伝導路内で順行性伝導とcollisionすることでERPの短縮が生じたため出現したと考えられた.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 44 (SUPPL.3), S3_69-S3_73, 2012

    公益財団法人 日本心臓財団

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679027459200
  • NII論文ID
    130004562575
  • DOI
    10.11281/shinzo.44.s3_69
  • ISSN
    21863016
    05864488
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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