Radio Frequency Identificationシステム及びwebカメラを用いた 化学実験室における試薬の動態に関するケーススタディ

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タイトル別名
  • Behavior of Chemical Reagents in a Chemical Laboratory using Radio Frequency Identification System and Web Cameras—A Case Study
  • Radio Frequency Identification システム オヨビ web カメラ オ モチイタ カガク ジッケンシツ ニ オケル シヤク ノ ドウタイ ニ カンスル ケース スタディ

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抄録

実験室内での試薬の動態に関する情報を得るべく、Radio Frequency Identification システム及びwebカメラを活用して、保管庫からの試薬の出入庫や、実験室内における試薬の軌跡をモニタリングし、各試薬の使用時間や使用場所に関するケーススタディを行った。試薬が保管場所から出庫して返却されるまでの時間は、10分以内の短い場合と30分を越える長い場合に大別され、実験手順の中で予め使用量が決まっているものについては比較的短く、冷蔵試薬や実験の進行状況に応じて使用量が変化する溶媒については時間が長くなる傾向が観察された。試薬の使用場所については、天秤やドラフトなどの作業目的となる場所で用いられるほか、別の作業場所に移動する前後の拠点として実験台を経由するケースが多いことが明らかになった。また、試薬が保管場所から出て戻るまでの間にいずれかの場所で一度だけ使用され、その使用場所は基本的に作業の目的ややり易さ、装置が置かれている場所で概ね決まっているものの、他の作業者との作業場の共有が試薬の使用場所に影響することがあることなどが示された。このように、実際の実験室で具体的な試薬の動態を調べることにより、化学物質管理システムなどの方法では追跡できない実験室内での化学物質の使われ方に関する特徴が明らかになるとともに、非定常作業のリスク評価に必要となる実験シナリオの設定のためにも有用な知見となることが期待される。

収録刊行物

  • 環境と安全

    環境と安全 5 (1), 9-17, 2014

    大学等環境安全協議会

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