皮膚糸状菌の薬剤感受性試験法 -MICとMFCの測定-

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タイトル別名
  • Antifungal Susceptibility Testing Method for Dermatophytes -Determination of MIC and MFC Values-
  • ヒフ シジョウキン ノ ヤクザイ カンジュセイ シケンホウ : MIC ト MFC ノ ソクテイ

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抄録

病原真菌の薬剤感受性試験成績は,治療現場における薬剤選択や使用法の選定あるいは耐性菌出現の監視等,重要な情報となる.その指標としては,最小発育阻止濃度(Minimum Inhibitory Concentration;MIC)と最小殺(真)菌濃度(Minimum Fungicidal Concentration;MFC)がよく知られているが,一般的にはMICが重要視されている.事実,MIC の測定法は測定精度と再現性を保証できるように世界的に標準化が進められてきたが,MFC の測定法はいまだ標準化されていない.これは皮膚糸状菌においても同様であり,1999 年に本学会が世界に先駆けて提案した皮膚糸状菌に対する MIC の標準化測定法が汎用されている.一方で,MFC は抗菌薬分野の手法を引用して測定されているのが実情である.さて,近年は殺菌作用をメカニズムとする外用抗真菌薬の開発が進み,MIC に加えて MFC も参照される機会が増していることから,これら二つの指標をどのように位置づけ,治療現場で利用していくのか整理する必要があると考えられる.さらに MIC と MFC を直接比較できる標準的な測定法の開発も求められている.<BR> 本稿では外用抗真菌薬の in vitro 薬剤感受性試験の目的と意義,In vitro 感受性試験法とその問題点および測定法の標準化の動向をまとめるとともに,近年われわれの研究施設で開発した新規の MIC と MFC の同時測定法について紹介する.

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