椎間板性疼痛の発生機序からみた理学療法の効果
書誌事項
- タイトル別名
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- ―第2腰椎神経根に対する試み―
抄録
【目的】<BR> 椎間板性疼痛の求心性伝導路に対する生理学的検討の結果、第2腰椎レベルの交感神経節がその主体をなすことが明確にされている.臨床的コントロール試行においても、多彩な椎間板障害に対して画一的に第2腰椎神経根ブロックを行った結果、疼痛軽減程度および治療効果期間ともに有意に効果的であったと報告されている.今回、慢性腰痛症例に対して第2腰椎神経根に着目した理学療法を施行し、その結果を従来の治療法と比較した.<BR>【方法】<BR> 罹病期間が3か月以上の慢性腰痛症30例(男性17例、女性13例)を対象とした.除外項目として、明らかな神経学的脱落所見を呈するもの、外科的治療施行後の症例とした.対象群は治療群間で年齢、および性別に有意差が生じないよう事前にマッチングさせたうえ、無作為に以下の3群に分類した.治療内容は第1群が物理療法と薬物療法施行群(以下、物療群)10例、第2群は当院の治療フローチャートに準じた運動療法施行群(以下、運動療法群)10例、第3群は運動療法群に第2腰椎神経根に対して超音波療法を併用した群(以下、第2腰神経群)10例である.理学検査は治療開始前と治療終了後に、全症例に対して当院の評価チャートに準じ行った.治療回数、および頻度は2~3回/週で3週間行った.検者は治療内容を事前に知らされておらず、盲試験下にて行った.なお、症例には事前に説明を行い、同意を得た.<BR>【結果】<BR> 治療前の理学検査項目(疼痛、SLR角度、FFD)では群間で有意差は認めなかった.治療後、物療群と比較して、運動療法群と第2腰神経群はすべての項目で有意(P<0.001)に改善していた.運動療法群と第2腰神経群間では有意差は認めなかった.しかし、下肢痛を呈さず腰背部から殿部の痛みを主訴とする症例では第2腰神経群が運動療法群より疼痛が有意(P0.01)に改善していた.統計学的処理は行えなかったが、第2腰神経群では早期に疼痛が改善する傾向が認められた.<BR>【考察】<BR> 椎間板性疼痛の発生機序に着目して、第2腰椎神経根周囲に超音波療法を施行した.その結果、下肢痛を呈さない慢性腰痛症例において運動療法群と第2腰神経群との間に、疼痛の改善程度において効果が立証された.これは神経根ブロックと同様の効果が超音波で期待できることを示唆した.しかし、機能障害に関しては有意差が認められなかった.<BR>【まとめ】<BR> 今後、症例のサブグループ化(疼痛部位による分類)による効果判定を行い、治療直後と長期経過観察から治療の即効性と持続性についての検討を加え、症例ごとに、より効果的な治療方法の選択を提案する必要が急務であると考える.
収録刊行物
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- 理学療法学Supplement
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理学療法学Supplement 2008 (0), C3P1359-C3P1359, 2009
公益社団法人 日本理学療法士協会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680542295552
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- NII論文ID
- 130004580630
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可