変形性膝関節症に対するヒアルロン酸注入及びSLR運動併用効果の検討

DOI
  • 迫田 勇一郎
    医療法人社団牧会小牧病院リハビリテーション科
  • 中西 祐治
    医療法人社団牧会小牧病院リハビリテーション科
  • 石川 博隆
    医療法人社団牧会小牧病院リハビリテーション科
  • 渡辺 一徹
    医療法人社団牧会小牧病院リハビリテーション科
  • 野海 渉
    医療法人社団牧会小牧病院リハビリテーション科
  • 茂利 久嗣
    医療法人社団牧会小牧病院リハビリテーション科
  • 圓福 陽介
    医療法人社団牧会小牧病院リハビリテーション科
  • 河野 ユカ
    医療法人社団牧会小牧病院リハビリテーション科
  • 田邊 龍樹
    医療法人社団牧会小牧病院リハビリテーション科
  • 小牧 宏和
    医療法人社団牧会小牧病院リハビリテーション科
  • 小牧 一麿
    医療法人社団牧会小牧病院リハビリテーション科
  • 鳥取部 光司
    宮崎大学医学部整形外科
  • 濱田 浩朗
    宮崎大学医学部整形外科

書誌事項

タイトル別名
  • ―多施設間での運動機能、JKOM調査にて―

抄録

【目的】変形性膝関節症(以下,OA)における保存的治療の一手段としてヒアルロン酸ナトリウム(以下,アルツ)を用いた治療の有用性を認めるが,運動療法併用での治療効果報告は少ない.そこで今回OA37症例をアルツや下肢伸展挙上訓練(以下、SLR)での保存的治療での短期効果を多施設間にて比較検討したので報告する.<BR>【対象と方法】対象は2006年10月~2007年9月までの期間で,宮崎県内の整形外科,リハビリテーション科を標榜にもつ病院,医院,大学病院の3施設の患者様でOA治療を行われる症例中,初回Drによる治療方針の説明後,調査研究に関してのインフォームドコンセントの得られた症例を対象とした.横浜市大式Grade2~3のOA 37名(男性9名女性28名)平均年齢73.3歳を選択し1群をアルツによる関節内注入群2群をSLR群3群をアルツ+SLR群とし症例をランダムに分類1.運動機能調査(最大一歩幅・開眼片脚立ち・TUG・FRT・通常歩行速度・最大歩行速度・30秒間での椅子からの立ち上がり回数)と2.疾患特異的・患者立脚型変形性膝関節症患者機能評価尺度(以下,JKOM)を初回時と5週後に評価を行った.アルツ投与方法は,1回/週外来にて定期的に施行し連続5回投与後評価を行った.SLR群としては,座位や背臥位どちらか一方法の運動で1set20回1日4set計80回を目標回数とし,運動に関しての注意事項,自己記録等の説明を行った.なお,対象除外規定を重篤な合併症を有している方や注入薬成分に対して過敏症などの症状を認めた患者様とDrにより不適当と判断された方とした.統計解析は,運動機能に関しては初回と5週後の比較はpaired T-testとWilcoxon T-test 3群での比較検討は,Repeated measures ANOVAで多重比較をSNK test,JKOMにおいては,Friedman’s X2r-testを用い多重比較はWilcoxon T-test with Bonferroni correctionを用い有意水準5%未満にて求めた.<BR>【結果及び考察】5週間後追跡調査を行えた症例は,33名(男性8名女性25名)で1群12名2群11名3群10名であった.初回時と5週後での各群間比較にてFRTのみ有意差を認めた.初回と5週間後の比較にては、1群で運動機能の通常歩行速度に1%椅子からの立ち上がり5%JKOMにては,VAS・日常生活の状態に1%膝の痛みやこわばり・普段の生活で5%2群では, 最大一歩幅・TUGに1%開眼片脚立ち・椅子からの立ち上がり5%JKOMにては VAS・日常生活の状態・普段の生活において5%3群では, TUG・FRT1% 最大一歩幅・椅子からの立ち上がりにおいて5%JKOM にてVAS・日常生活の状態,・膝の痛みやこわばり・普段の生活で1%健康状態において5%の有意差を認めた.結果より, 3群でのアルツ+SLR群が他群より有用であり,関節痛が軽減し活動性やQOLが向上しメンタル面にも及ぶ効果を認めたのではと考慮する.

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 2008 (0), C3P3347-C3P3347, 2009

    公益社団法人 日本理学療法士協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680544593408
  • NII論文ID
    130004580890
  • DOI
    10.14900/cjpt.2008.0.c3p3347.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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